輸入無線機で国際VHF船舶局を開局する

申請書記入例のページ


申請に必要な書類とその書き方を解説します。これらを電気通 信監理局に提出して書類不備がなしならば 予備免許が交付されます。なお、記入すべき部分は太字、解説は[緑色のカッコつき]、状況に合わせて書くところは 薄い青字、 その他 赤色は 要注意など 色分けしました。親切でしょ。え、かえってわかりにくいって?

無線局免許申請書

無線局免許申請書
[「再免許」を===線で抹消する]
○年○月○日
収入印紙貼付欄
関東電気通 信監理局長 殿 [←関東地方の場合]
申請者 
住所・氏名・代表者氏名・印
 [←代表者とは申請者が法人などの場合]
代理人 [←自分で申請するから空欄]
下記の無線局 を開設したいので、電波法第6条   の規定により別 紙の書類を添えて申請します      の再免許を受けたいので、無線局免許手続規則第16条[のところを===線で抹消する]
(1) 無線局の種別 及び局数
船舶局 1
(2)-(4)
すべて空欄
(5) 備考
○W ○局[5W 1局のように書く]

収入印紙: 金額は 電波法関係手数料令第二条(無線局の免許申請手数料)の中の「船舶局(総トン数500トン未満の漁船の船舶局を除く)及び航空機局」欄「新たな免許の申請手数料」というところの金額。約7-8千円。金額はマメに変更されるので、最新の法令集もしくは官報などを参照できない場合は電気通 信監理局に問い合わせてしまうのが早い。


無線局事項書 (3ページあります)  2部提出。

無線局事項書 (1ページ目)
整理番号 [空欄]
申請区分 開設 に  印 無線局の種別  MS [コードで記入: 船舶局はMS (免許手続規則別 表2-5)] 運用開始の予定期日 
予備免許から1ヶ月目の日

[と便宜上書きます]
免許の番号 [空欄] 最初の免許の年月日 [空欄] 欠格事由 無 にレ 印 [重要]
申請を必要とする理由 [必須] 緊急時の安全確保のため
船舶の所有者 本人 総トン数 A
[コードで記入: 5トン未満]
旅客定員 [空欄]
[12名以上のみ書く]
船舶の用途 プレジャーモーターボート [船検書の記載どおりに]
船舶番号 第○○-△△△△
[船検]
航行区域
限定沿海[船検]
国際航海従事
[外洋艇は]
信号符字  [空欄]
船舶の長さ S
[12m未満。以上ならL]
航行する海域 A1およびA2
電波法施行規則第28条に「A1海域」と「A2海域
」というのがあり、その区分によって備え付けなければならない無線設備が規定されます。しかしどこが「A1海域」かはこんな風に規定されています。「F2B電波156.525MHzによる遭難通 信を行うことができる海岸局の通信圏であって、郵政大臣が別に告示するもの及び外国の政府が定めるものをいう。」よくわかりませんから、このまま「A1およびA2」と書くのが賢明でしょう。ちなみに「A3海域」は同法28条3項ただし書きのインマルサツト人工衛星の通 信圏であって上記のA1およびA2海域を除いた海域、ということなので、「A1およびA2」で必要十分と思われます。
電気通 信業務の取扱範囲 [空欄]
加入海岸局  [空欄]
現在日本では国際VHFの海岸局はないので、空欄。
識別信号 ○○○ [コールサインになるもの。カナで記入。]
氏名または名称・住所・郵便番号・電話番号 [コードは空欄でもよい]
無線局の目的 スポーツ・レジャー用 [コードは空欄でもよい]
免許の年月日  [空欄] 免許の有効期間  [空欄] 無線設備の工事落成予定期日
予備免許の日から1ヶ月目の日
通信の相手方 船舶局、港湾通 信業務を行う海岸局 [所属海岸局がないのでこのように書くのが妥当]
通信事項   船舶の航行に関する事項 [このように書くのが妥当]
無線設備の設置場所  ○○○ [船舶名]
停泊港コード
○○

[都道府県名可]
主たる停泊港 ○○港
備 考  [空欄] 産業別コード [空欄]

注意
(1)「予備免許の日から1ヶ月目の日」-と書くのが妥当です。実際もし運用や工事落成が予備免許の日から1ヶ月目の日より早くても問題ありません。

(2)「加入海岸局-空欄」すべての船舶局はどこかの海岸局に所属する、というキマリがありますが、日本には2000年現在、国際VHF海岸局はありません。従ってこの書類上「加入海岸局-なし」でもOK です。 ここで小安協などの「マリンVHF海岸局」を記入する必要はありません。マリンVHFと国際VHFは別 モノだからです。別ないい方をすればこの申請ではマリンVHF海岸局との交信(CH77など)は許可されないことになります。この点に問題がある場合は、どこかのマリンVHF海岸局に所属させてもらった上で、この欄にマリンVHF海岸局名を書く事になります。 でもそんなことできるのかは、もめるポイントではあります。私の場合、小安協には入会していますがマリンVHFの会費は払っていないので、ここは空欄にしました。もし緊急事態が発生した場合、マリンVHF海岸局呼び出しのCH77は使えないのですが、CH16を使えばいいということです。

(3)「停泊港コード」は船舶が主に停泊している港の所在する都道府県について、都道府県コードまたは都道府県名を記載すること。
この他「コード」を記入する「氏名または名称」「無線局の目的」については、コードがわからない場合は空欄でよい。

(4)「欠格事由」ここは通常の日本国籍を持つ者の場合、「無」とします。
いちおう規定上 (電波法第5条)は 以下にひとつでも該当する者には、無線局の免許を与えない ようです。
   - 日本の国籍を有しない人
   - 外国政府またはその代表者
   - 外国の法人または団体
   - 法人または団体であって、「外国の法人または団体」に掲げる者がその代表者であるもの 又は
    これらの者がその役員の1/3以上もしくは議決権の1/3以上を占めるもの。
ただし「船舶の無線局」については例外規定あり(詳細省略)。余談ですけど他にも携帯電話とかの無線も日本国籍なくてもOKと書いてあります。電波法令は読むとけっこうおもしろいです。


(無線局事項書 2ページ目) 電波の形式、周波数及び空中線電力

[ここは申請する無線設備の該当欄すべてをチェック、記入していくことになります。国際VHF船舶局だけの部分について解説します。]

(2) (1)以外の無線設備 超短波帯(150MHz)無線設備の機器[J]  に  印
[(1)の「電波法33条の規定により備えている無線設備」とは「義務船舶局」の設備を指します。関係ないので(1)には書かないで(2)に書きます。] F3E に  印 
[この余白に欲しいCHを記入する↓]
      ○W [送信出力]
CH 6, 8-14, 16, 18-22, 69, 72, 73 など

(無線局事項書 3ページ目) すべて空欄。でもこのページも一式として提出しなければなりません。

CHについて(重要)
この欄でどのチャンネル(以下CH)を免許されるかが決まります。全部のチャンネルに免許をくれといっても申請する船舶の航行範囲その他を鑑みて、電気通信監理局が決めてしまいます。その原則は(1) 必要なCHは許可されるが、(2)必要のないCHについては許可されない。国際VHF通 信は世界中で57チャンネルくらいあって、国ごとに使い方が多少異なりますが、一方で全世界共通 のチャンネル(例、CH16は国際的な呼び出しチャンネルです) もあります。

どのCHがどんな目的で使われているかの一部を以下に挙げます。

CH No.
国際/マリン
そのチャンネルの使用目的
6
国際VHF
マリンVHF船舶局以外の一般 船舶との通信用
11
国際VHF
国際VHFの港湾ラジオサービスとの交信用サブチャンネル
12
国際VHF
海上保安庁などの海岸局との通 信用
13
国際VHF
マリンVHF船舶局以外の一般 船舶との船舶相互間航行安全通信用
14
国際VHF
海上保安庁などの海岸局との通 信用
16

国際VHF/マリンVHF(緊急時のみ)

遭難緊急安全通 信及びマリンVHF船舶局以外の一般船舶との呼び出し応答用
(このチャンネルは通常通信に用いてはならない)
69,72,73
マリンVHF
マリンVHF船舶局との通 信(船舶間)用
77
マリンVHF
マリンVHF船舶局・海岸局の専用呼び出し応答用
(仲間の船や所属する海岸局などの呼び出しを行う)
86,87,88
マリンVHF
マリンVHF船舶局が、自艇が所属する海岸局との通 信用(陸船間)
71,74
国際VHF
(社)日本外洋帆走協会の海岸局に加入する船舶のみ、当該海岸局との通 信用
-2000年現在この海岸局は閉鎖されているため、申請には使えない。

国際VHFはマリンVHFより上位のシステムであるとはいえ、CHごとに使用目的が決められているため、マリンVHF専用として割り当てられているCHを国際VHFで申請しても原則的には認められません。これはつまりこういうことです。

通常のプレジャーボートは、マリンVHF船舶局を仲間に多く持つため、CH69,72,73は使いたいところです。しかし国際VHF船舶局は本来 マリンVHFとは別 のシステムなので、この申請は通常通りません。国際VHF船舶局の申請には。この点について納得する必要があります。以下枠内をご覧下さい。

【重要】国際VHF船舶局には、CH 69, 72, 73 が免許されないという新規則が平成13 年3月から施行されたようです。
CH69, 72, 73 は マリンVHF船舶局の 船同士の交信に使用されるチャンネルです。 国際航海する船舶や外用ヨットの方々を除く プレジャーボートのVHF船舶局におい て、これらのチャンネルは最も使用するチャンネルです。これらが利用できなく なってしまった国際VHF免許では、現実的に開局する意味が大きく薄れます。
以下に紹介している「国際VHF船舶局開局体験レポート」の内容を適宜修正は致しま すが、上記の点、誤解なきようお願いいたします。
本件につき 何か情報等ございましたら、PBIサイトトップページにありますe-mail でご連絡下されば幸いです。

 


工事設計書 (3ページあります)  2部提出。
ここの内容は無線設備によってぜんぜん異なってきてしまいます。従って、私の場合(5Wハンディ機)の例を挙げ、可能な限りその他のケースについて解説します。

工事設計書 (1ページ目)
整理番号 [空欄]
装置の区別 超短波帯(150MHz) 無線設備
現用または予備の別  [空欄] 通 信方式 単信方式 コード T2
電波の形式及び
周波数等
電波の形式 F3E 周波数 150MHz帯 定格出力 [空欄] 空中線電力 ○W
[無線局事項書 2ページ目で記入した J の項目と同じことを書く]
送信機 変調方式  コード FM [しか書かない] 空中線電力低下の有無 
[送信出力を落とせるLow Powerができるか]
製造者名等 製造者名・名称はモデル名・製造番号 [ここは臨局検査時に必ず見られるポイントなので、製造番号などもきちんと調べて書く。据え付けてしまって、番号がわからない時は保証書などに製造番号が記載されていることもあるので証明できるように。]
受信機 普通 のトランシーバーなら 送信機と同じ でよい
通 過帯域幅 [説明書の仕様欄もしくはメーカーから資料を取り寄せて記入] 「6dB帯域幅12kHz以上、70dB帯域幅25kHz以内」のような数字を記入するが、輸入無線機の場合、取説の仕様にこの記載がないことが多い。 受信周波数 156-163MHz  97波
[輸入無線機の場合、取説の仕様にないことが多い。 ]
補助電源 有または無
空中線-空中線型式等 空中線って「アンテナ」のことです。
空中線番号 T1 [たとえばこんな番号をつける。空中線が複数ある場合に限り、当該無線機器の番号を付ける。通 常フネにはGPSアンテナなども含め複数のアンテナが立っているので、ここは空欄にするより命名してしまう。]
送受の別 M [送信と受信をひとつのアンテナで共用する=Mと書く。ちなみに送信専用アンテナ=T、受信専用アンテナ=R]
基本コード、付加コード、偏波面コード 通常は 偏波面 コードだけ V と書きます。単一型のアンテナの偏波面 は「垂直偏波」です。コード表が手元にないので、 申請される無線機に合わせてここは 電気通信監理局に確認してください。ちなみにハンディ機の申請の時は、偏波面 コードだけVでした。
高さ 最高満載喫水線 からの最高部の高さ  利得 2.14dBなどと記入
給電線等  空欄にしました。
備 考   空欄

工事設計書 (2ページ目)
整理番号 [空欄]
特殊な設備・付属装置
GPSやレーダーなどを装備している船は、その台数・名称・製造番号等をもれなく記入する。
添付図面 機器配置図 無線設備系統図 電源系統図 ブロッキングチャート
どんな図か
自作する。船体の平面 図及び側面図に空中線、通信室、機器室、及び電池室等の位置を記載すると共に、必要に応じて、機器(制御器を含む)の配置を示した船橋、機械室等の図面 を添付すること。

二種類ある。

(1) 無線機のユニットごとの回路図。メーカーから入手しないと、自作は事実上不可能。

(2)自作する。送信機・受信機・空中線の接続系統。こんな感じ

自作する。電源から無線機器までの流れを書く。他の電気機器や配電盤なども書く。

機器の種類、電圧、容量 及び相数を付記する。

通常は添付不要。

インマルサット高機能グループ呼出受信機用の空中線の中心から見通 した場合における船上の回線障害物の設置状況を記載するもの。

なんのこっちゃ。


無線従事者選任届 2部提出します。

これは、無線局を操作する無線従事者が誰か、という届けです。通 常ひとりしかいないので「主任無線従事者」などという欄はことごとく空欄でOK。

 
無線従事者選任届
「主任無線従事者」を二重線で抹消する
○年○月○日
 
住所・氏名 ・印
次のとおり 無線従事者「主任無線従事者」を二重線で抹消する を選任したので、電波法第51条「第50条」を二重線で抹消する の規定により届けます。
従事する無線局の免許番号、識別 信号、及び無線設備の設置場所 [空欄] 免許されたときに記入される
1. 選任または解任の別 選任
2. 同上年月日 ○年○月○日
3. 主任または無線従事者の別 無線従事者 [主任は任命しないこと]
4. 主任の監督範囲 [空欄]
5.  [空欄]
6. 氏名 ふりがな 記入
7. 住所 記入
8. 資格 第1級海上特殊無線技士 [など]
9. 免許証の番号 AA○○-12345 [など]
10 無線従事者免許の年月日 [無線従事者免許証より記入]
11-13 [空欄]

この書類に、無線従事者免許証のコピーを添付して完成。

 

 


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